初めてでも大丈夫!ECサイトリニューアルを成功させるポイントと手順・費用
ECサイトを何年も運用しているうちにふと気がつくと、いま運用しているのは何年も前に作ったサイト。そろそろ新しくしたい…とは思いながらも、使えないわけではないし本当にリニューアルするべきなのか判断がつかなかったり、手順がよくわからず諦めてしまったりして、なかなかその一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
今回はそのような、ECサイトリニューアルにあたっての不明点や不安要素を解消すべく、初めての方でも理解できるよう簡単に解説していきます。
一方で、初心者の方向けに分かりやすく解説していることもあり、専門性や正確性などを多少犠牲にしています。
また記事の中では、リニューアルすべきタイミングや手順、費用などに加えて 、リニューアル後の継続的な改善に役立つツールもご紹介しますので、最後までぜひご覧ください。
ECサイトのリニューアルを検討すべきタイミング
まずは、リニューアルを検討すべきタイミングについてのご紹介です。漠然と”新しくしたい”という思いでこの記事をご覧いただいている方も、ぜひ以下の内容を参考にご自身のサイトの状態と照らし合わせてみてください。
1-1.システムが老朽化してきた
何年もECサイトを運用していると、サイトを作った当時は最新だったシステムも、今となっては古くなってしまっているということがあります。ASPサービスなどクラウドサービスであれば、自動でアップデートされているはずですが、そうでない場合には自分達でアップデートをしていく必要があります。
アップデートされずにシステムの老朽化が進んでいると、セキュリティレベルの低下が懸念されます。
また、最新のネット技術に対応できない・動作が重い・管理画面が使いにくい、など業務効率が落ちる原因にもなります。それだけにとどまらず、顧客の買い物のしにくさ(ユーザー体験)に影響している可能性もあります。
1-2.機能を大幅に刷新する必要に迫られた
売上規模が大きくなってくると、だんだん機能が不足してくる場合があります。運用面・顧客目線それぞれの要望に対応するための機能拡張やカスタマイズができるようなリニューアルが必要になります。
新しく登場した決済サービスへの対応や、リピーター向けクーポン発行のような自由度の高い施策の導入など。提供したいサービスに制限がかかっている状況にあったり、SNS(InstagramやTwitterなど)との連携による集客や、受発注に使用するシステムの乗り換えなど、運用面での不都合が生じている場合には、売上拡大のためにもリニューアルに対処していく必要があります。
1-3.サイトを3〜5年リニューアルしていない
サイトを3年以上そのままにしているという場合にはデザインが古くなっていたり、使い勝手(UX/UI)が悪くなっていたりする可能性があります。
近頃では、ECサイトの閲覧や購入はPCではなくスマートフォンやタブレットで行う割合が増えてきました。よって、スマホでの見やすさや使い勝手、SNSとの連携などに対応していく必要があります。
SEOという観点においても、運用中のサイトがスマホ対応しているか否かは、上位表示に大きな影響を与えるため早めのリニューアルをおすすめします。
ECサイトのリニューアルを成功をさせるためのポイント
ECサイトをリニューアルするポイントをあげようとするとキリがありません。よって、ここでは原則的な3つに絞ってお伝えしていきます。
2-1. リニューアルの目的を明確にする
まずは具体的に、リニューアルの目的について定義しておく必要があります。なぜ今リニューアルをするのか(タイミングの妥当性)や、リニューアル後はどんなコンセプトのサイトで、何を強みにしたショップになるのかを明確にしていきます。
また、スケジュール・納期や予算についてもしっかり想定しておくことで、リニューアル中も大事な中心からブレずに作業を進めていくことができます。
2-2. 運用現場とユーザー目線を忘れない
リニューアル企画の主幹がどの部門であったとしても、運用する現場の意見とすり合わせを行い、またあくまでも一番は"ユーザーにとって"買い物がしやすくなるサイトになるようにリニューアルを心掛けます。
経営層の想定する予算感や要望は前提におきながらも、EC担当者の現場の声を反映させ、システム担当にも実現可能なのか?作業負担は問題ないか?など確認を行い、あらゆる視点で要件を検討していきます。
また、顧客対応をしているカスタマーサポートの部門がある場合には、想定されうる問題点や実際に顧客から寄せられている要望やクレームの内容をヒアリングして取り入れることで、ユーザーに寄り添ったリニューアルを実現できます。
2-3. 外部システムとの連携を確認する
非常に重要なポイントですが、リニューアル後、顧客管理システムや利用するクラウドサービスなどの基幹システムと問題なく連携できるかどうか、しっかり確認しておきましょう。
顧客情報の管理や、受発注に関するシステムなど、ECシステムだけでは完結できない場合も多いので連携確認は必須です。もし、想定している方法では連携が難しいとなると、追加で開発コストが発生する場合もあり、その分も見越した予算組みが必要となるため注意しましょう。
ECサイトリニューアルの流れ
では実際に、どのような流れでリニューアルを進めていくのか見ていきます。リニューアル後の保守・運用に役立つツールについてもご紹介するので、ここで事前準備からリニューアル後までの全体像を把握してみましょう。
3-1.現状分析
まずは、自社のECサイトがどんな問題や不都合を抱えているのか、現状を分析していきます。
運用面で感じている不便や、本当はこうできたらいいのに…といった理想の機能についてピックアップしたり、競合他社のサイト構成もみながらユーザー目線の問題点についてもあぶり出していきます。
また、対応できていないデバイスやツールがある場合には、現状分析の段階でリストアップしておきましょう。
3-2.目的・戦略の確認
現状分析の結果もふまえ、リニューアルの目的をしっかり確認します。成功させるためのポイントの項目でもお話しましたが、なぜ今このタイミングでリニューアルの必要があるのかを再度確認し、コンセプトを決めていきましょう。
リニューアル後のECサイトでは、どんな世界観や強みを持って運用していくのか、新しく搭載する機能やデザインを活用してどう販売促進していくのか、売上拡大に向けたそれらの戦略についてビジョンを描きます。
3-3.要件定義
現状分析と目的・戦略の確認が終わったら、それらを実現するために必要な機能(システム要件)やデザイン(サイト要件)について洗い出していきます。可能な限り外注業者やシステムの担当者と協議を重ね、搭載する機能・省く機能・必要な工数についてなど、慎重に要件を決めていきます。
また、ECサイトのリニューアルを外注する場合はこの段階で制作会社を選びます。ASPカート(クラウドシステム)を利用する場合は、こちらもどのシステムを利用するか決めていきます。
3-4.ECサイト設計
要件定義の内容をもとに、サイトマップ(サイトのページ構成・一覧)やワイヤーフレーム(ページの設計図のようなもの)を作成してECサイトを設計していきます。
リニューアルを担当する制作会社の方で最終的にはワイヤーフレームを作成してもらいますが、事前に自分達で簡単にでもラフのサイトイメージを作成しておくと、スムーズに進められます。
実作業に入る前に、開発の担当者と綿密に打ち合わせ、要件を満たしイメージ通りに仕上がりそうかしっかり確認しておきましょう。
3-5.コンテンツ作成・デザイン
ユーザーにとっての利便性、これを第一に、作成したワイヤーフレームに沿ってデザインを進めていきます。スマホ画面上で視認しやすいこと、操作しやすいことを重視して、認識にズレがないか途中経過を確認しつつ進めてもらうのが安心です。
また、ECサイトとはいえ、商品を販売するだけではなく、ユーザーに役立つ有益なコンテンツを配信することで見込み客にリーチできる可能性が高まるので、コンテンツについても考えておくことをおすすめします。
3-6.コーディング
デザインが決定したら、ECサイトをWebから確認できるようにするための作業(コーディング)へと進みます。
一見画像のように見えるデザインでも、変動する価格表記がある場合にはテキストとしてコーディングしてもらったり、現場の運用スタッフが軽微な修正に対応できるようにソースにコメントを追記してもらったり、メンテナンス性も考慮してコーディングを進めてもらうことが大事です。
3-7.システムへの組み込み・データ移行
システムを変更する場合、コーディング完了後もしくは並行してデータの移行作業を進めます。データの形式がシステムやプラットフォームによって異なる可能性があるため、必要な対応を事前に確認しておきましょう。
外部システムとの連携についても、動作に問題がないか確認していきます。可能であればテスト環境やステージングで実際に顧客と同じように注文を行い、問題なく受発注ができ、連携が行われているかをチェックします。
3-8.本番公開
準備万端となったら、本番公開前にテスト環境でまずはチェックを行います。リンク先に間違いはないか、挙動がおかしな点はないか、テキストに誤植はないか、などなど徹底的に確認を行ってください。
すべて問題ないことが確認されたら、無事本番に公開されることになります。
3-9.保守・運用・改善
ECサイトはリニューアルしたら終わりではなく、公開した後も日々改善が必要です。スマホの限られた画面の中で、まず一番初めにどんな情報を表示させるか?ページの遷移にストレスはないか?など検証を繰り返しながら運用・改善していきます。
ECサイトの運用・改善に役立つ便利ツール
このような運用・改善の作業は、現場で日々対応していくことになりますが、Webの知識を持った人が社内にいない場合には対応に不安が残ります。
「KARTE Blocks」というツールを導入することで、直感的な操作によりサイト運用・サイト改善に役立つ様々な機能を使用することができます。
ページをブロックごとで効果測定することで課題を見つける手助けをしてくれたり、ソースコードを編集しなくても画像やテキストの編集・入れ替えを行うことができたりするなど、まさにリソース不足の企業様にとって最適なツールです。
ECサイトリニューアル後の、日々の運用の手助けに非常に役立つツールなので、ぜひチェックしてみてください。
ECサイトをリニューアルする際の費用
4-1.費用の相場
気になるリニューアルの際にかかる費用についてですが、サイト規模やリニューアルの程度によって大きく異なるため例を示すことは難しいです。参考として、ECサイト”構築”の際にかかる費用をまとめた記事から一部引用してご紹介させていただきます。
表にあるように、価格で言えば無料のものから百万円以上かかるものまで様々です。リニューアルとなれば、初めての構築時と比較すると売上規模は大きくなっているはずなので、機能の拡張や、サイトデザイン・システムのカスタマイズが可能であることが条件となってくるのではないでしょうか。
要件定義した内容が実現できるツールなのかを確認し、相見積もりをとりながらリニューアルに採用する構築方法を比較検討してみましょう。
また、無料相談を受け付けている会社も多いので、まずはリニューアルの要件を伝え、構築方法についてアドバイスをもらってみるのもおすすめです。
4-2.ECサイト利用に使える補助金
リニューアル費用についてですが、実は「事業再構築補助金」「IT導入補助金」の対象となります。条件に合致する場合には、ぜひ申請を検討してみてください。
【事業再構築補助金】
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概要
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金のこと。 -
対象
下記を両方満たす中小・中堅企業
① 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
② 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること
引用資料:令和二年度第三次補正・令和三年度補正・令和四年度予備費 事業再構築補助金公募要領(第8回)1.0版
上記は通常枠について抜粋記載しておりますので、その他最新情報は公式サイトよりご確認ください。
【IT導入補助金】
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概要(通常枠)
中小企業・小規模事業者が自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入する際の費用を補助し、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化をサポートする制度のこと。 -
対象
中小企業、または小規模事業者
先ほどご紹介した「KARTE Blocks」に関しても、IT導入補助金の対象ツールとして登録されています。(2022年時点)
その他最新情報は公式サイトよりご確認ください。
まとめ
ECサイトリニューアルについて、ポイントや手順について全体像を掴んでいただけましたでしょうか。まずは現状を分析すること、そしてユーザー目線で要件定義して構築、さらに完成後も改善を続けることが大切だとお分かりいただけたかと思います。
トレンドや売上規模に合わせてリニューアルを実施し、より効果的な販売促進が行えるサイト作りをぜひ目指しましょう。
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