コーポレートサイトをリニューアルする最適な時期と流れについて
起業したばかりのスタートアップを除いて、コーポレートサイトを保有していない企業は少ないのではないでしょうか。もちろん、戦略的にあえてコーポレートサイトを作っていないという企業はあると思いますが、多くの企業では当たり前のように公開しているはずです。
社内に豊富なWebマーケターのリソースを抱えて、定期的にコンテンツを作成・更新しているような企業でない限り、コーポレートサイトはとりあえず公開しておけば良くて、リニューアルにまで意識が及ばないことはよくあります。
そのような中で、経営陣や上司から「コーポレートサイトが古くなっているような気がするからリニューアルしよう」「社長がコーポレートサイトを新しくしたいと仰っているので、リニューアル作業を進めていってほしい」などと声が掛かってスタートする話をよく聞きます。
果たして、そのようなタイミングでコーポレートサイトをリニューアルすべきなのか。本当にリニューアルすべきタイミングはいつで、それを具体的にどのように進めていったら良いかを初心者向けに解説したのが本記事です。
コーポレートサイトをリニューアルすべきタイミング
ここでは、コーポレートサイトをリニューアルするタイミングについていくつかパターン分けをしながらご紹介していきます。
どれか1つでも当てはまったらリニューアルする、全て当てはまったら必ずリニューアルすべきという単純なものでもなく、複合的な要因が絡み合った結果としてコーポレートサイトリニューアルの判断に至ります。
1-1.アクセス数が減少しつつある
GoogleやYahooなど自然検索からのアクセス数が減少している場合、コーポレートサイトのリニューアルを検討しても良いかもしれません。特に、現状のサイトがスマホ対応をしていないようであれば、SEOの観点でネガティブな影響を受けアクセス数が減少している可能性があるからです。
また、その他にもあまりに古すぎるサイトで、ユーザーにとって情報の配置や遷移が非常に分かりづらいサイトもリニューアルの検討対象になります。ユーザー体験を大きく損ねているようなサイトはSEOの観点でネガティブですが、そもそもお問い合わせや資料請求などのコンバージョン率の観点でもネガティブだからです。
アクセス数が減っているから即リニューアルという判断ではなく、SEOやコンバージョン率の観点でリニューアルを検討してみても良いという話になります。
1-2.お問い合わせが少ない
上記の話の後半部分とやや重複する話ではありますが、お問い合わせ数がそもそも少ない時もサイトリニューアルを検討すべきタイミングの1つでもあります。
コーポレートサイトへのお問い合わせの多寡は企業にとって売上増に影響を与えるため非常に重要です。そのお問い合わせが少ないということは、サイトを見たユーザーがお問い合わせをする前に離脱しているということを表しています。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使って、ユーザーがサイト内でどのページをよく閲覧しているのか、そこから更にどのページから離脱しているのかなど、お問い合わせにつながっていない要因を分析してみると良いでしょう。
お問い合わせが少ない原因を構造的に把握しにいくことで、サイトリニューアルを今すべきか否かが見えてくるはずです。
1-3.サイト更新に工数がかかる
コーポレートサイトを運営するには、当然ではありますが、サーバー代などの保守費用が発生します。その他、外部の企業にWeb制作や保守作業を依頼している場合にも、当然ながら保守・運用費がかかります。
そういった保守運用にかかる作業をWordPressなどのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入して自社内でサイトを管理することで、コストを下げることが可能です。
CMSを使うことでHTMLなどの技術的な知識を必要とせず、サイト構築も行いやすいというメリットがあります。社員だけでサイトの運営を行いたい場合はCMSを導入するようなリニューアルがおすすめです。
更に現在ではBMSと呼ばれる手法でサイトをブロック単位に細分化し、保守運用費を下げていくという守りの運用だけではなく、ABテストや積極的なサイト改善などを行っていく攻めの運用が注目されています。
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1-4.サイト構造が複雑になった
コーポレートサイトを長年運営していると、コンテンツの追加や更新も多く発生してきます。そうなると、サイトを初めてつくったときの構造に変化が発生し、複雑多様になっていきます。
その結果、内部リンクが多くなりすぎたり、サイトの階層が深くなりすぎたりという傾向がある場合は、サイトリニューアルを検討すべきタイミングと言えます。サイトを訪問したユーザーからすると、複雑に感じ、よくわからないままサイトを離脱してしまう可能性があるからです。
よって、サイト構造の複雑さが見えてきた場合は、コーポレートサイトを設計段階から見直す必要が出てきます。
1-5.会社のリブランディングをしたい
会社は常に同じ経営者とは限りません。経営者が交代することで、会社の経営方針が引き継がれることもあれば、大きく変わることもあります。時代状況の変化も速いため、会社の事業自体も無くなったり、新しく始めることもあります。
そのように会社の方針が変わった場合や大きく事業転換を図る際などには、コーポレートサイトのリニューアルを検討するのが良いでしょう。
会社の事業や方向性自体が変わったにも関わらず、古いままのコーポレートサイトを使っていると、せっかく興味を持ってくれた見込み客や採用候補者を逃してしまう可能性があるからです。
コーポレートサイトリニューアルまでの流れ
ここでは、コーポレートサイトをリニューアルするまでの全体的な流れをご紹介します。部分的な作業に入る前に、まず全体像を押さえておきましょう。
2-1.現状分析
まずはコーポレートサイトの現状を分析します。現状のサイトが誰からどうやってどう閲覧されているのかを知ることで、リニューアル時の構造やコンテンツにアイデアを活かすためです。
①どのページがどれぐらい見られている?
Googleアナリティクスなどでページ毎のPV数を把握します。
Google Analyticsを用いたページ毎のPV数の分析例
②誰がどこからサイトを見ている?
サイト訪問者の性別や年齢層などがどの地域から閲覧しているかを把握します。
③どうやってサイトを見ている?
PC、スマホ、タブレットなど、どのデバイスを利用する閲覧者が多いのかを把握します。
④いつ見られている?
どの時間帯や曜日にアクセス数が多い、または少ないのかを把握します。
⑤どこからサイトに来ている?
検索エンジンやSNS、他サイトからなど、どこから訪問者が来ているかを確認します。
Google Analyticsを用いた流入元の分析例
⑥何を探している?
検索で使われたキーワードを調べることで、訪問者が何を求めてサイトに来ているかを把握します。
2-2.戦略・目的の確認
コーポレートサイトの目的によって、優先すべきコンテンツやサイトの構造、導線も変わります。企業としての戦略、そしてサイトの目的を明確にした上でコンテンツを設計することが大切です。
その際に活きるのが前項の現状分析です。多くのコーポレートサイトは見込み客ありきで作りますが、その見込み客のイメージ像を前項の現状分析で明確にして、そこに合わせる形で戦略や目的を練っていきます。
誰に、何のために、どんなメッセージを伝えていくコーポレートサイトなのかをこの時点で徹底的に考え抜くことで、この後の作業をしていても思考にブレがなくなっていきます。また、今回のサイトリニューアルをどれくらいの予算感で実施するかもここで考えておきます。
2-3.Webサイト設計
コーポレートサイトの目的を実現する上で、必要な情報や機能、導線を整理し、構造を組み立てていきます。どの情報をどのページに入れて、どうカテゴライズするか、階層別に構造をまとめたものをサイトマップと呼びます。これを作ることでサイトの構造が一目でわかるようになります。
サイト全体の構造が決まったら、ワイヤーフレームを作成し、各ページの構造を作成します。ワイヤーフレームとは、Webサイトの各ページのどこに何をどのように掲載するかレイアウトを示す設計図です。
2-4.デザイン作成
Webサイトの設計をもとに構成を決め、ワイヤーフレームに落とし込んだら、具体的なデザインを進めます。 厳密には、下記のようにデザインイメージを自社で固めて、実際に手を動かすのは外部のWebデザイナーになる企業が多いと思います。
どういったデザインにするかで迷ったら、コーポレートサイトの目的や戦略に立ち返ってください。コーポレートサイトをリニューアルしていく最中に、常にターゲットとする誰かを思い出すことで、自然とそのユーザー起点で物事を考えられるようになるためです。
例えば、20代前半の女性にとっての「分かりやすいデザイン」と、50代後半の男性にとっての「分かりやすいデザイン」では、その分かりやすさに差異が生まれるのは何となくイメージがつくと思います。ユーザー視点で思いを馳せることで、あるべきデザインの姿が見えてきます。
2-5.コーディングとCMSの組み込み
デザインが終わったら、それに沿ってHTML/CSSを使ってコーディングを行います。デザイン段階でサイトのどの位置にどの画像を配置するかが決まるので、その情報を使って配置を決めていきます。
本記事は初心者向けにコーポレートサイトのリニューアルを解説していく記事になるので、コーディングやCMSの組み込みについて細かく説明していくことはしません。
そういった細部を割愛しつつも、初心者の方向けに大事な点を1つだけ強調してお伝えすると、コーポレートサイトのリニューアル時には何かしらのCMS(有名なのはWordPress)を組み込んでリニューアルすることを強くおすすめしたいという点です。
理由は前章「コーポレートサイトをリニューアルすべきタイミング」の「サイト更新に工数がかかる」でご説明した通り、運用を前提にしたサイトにおいては更新の容易さは絶対的に確保されているべきだからです。
CMSまでは必須で、予算に余裕があればBMSの導入も検討すると良いでしょう。
サイトを運営する中で構築時には想定していなかった箇所を変更・更新したくなるケースや、新たに定常的に更新する枠を追加したくなるといったケースも多いと思います。その場合、都度制作会社に発注して修正を行わなければなりませんが、BMSを導入しておけばサイトの画像やテキストなど、どこでも自由に更新できるので安心です。元々なかった枠を新たに追加したり、今ある枠を削除したりも簡単にできます。
また、ご覧いただくと分かる通り、コーディングなどの専門技術を使うことなく、クリック1つで対象を選んで更新できます。
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IRサイトの更新に、BMSを組み込んで対応している事例もあるので、参考にしてみてください。
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2-6.本番公開
コーポレートサイトのリニューアルはいきなり運用中のサイト上で行うことはおすすめしません。仮に何か問題が発生してしまうと、既存の訪問ユーザーに迷惑がかかってしまうためです。
まずはローカル環境にテスト環境を構築し、その環境上でまず動作確認を行います。その上で問題が起きなければ本番の環境にアップロードをし、公開する流れが一般的です。
あまり詳しくないと何のことを言っているのかイメージがしづらいかもしれませんが、外注する制作会社に「テスト環境はどうなっていますか?いきなり本番公開することはないですよね?」とご質問いただくのが良いかもしれません。
テスト環境上で全てのコンテンツや文章、あるいはお問い合わせフォームの動作を確認し問題なければ、本番環境に公開してリニューアルしたサイトを誰でも閲覧することができるようにします。
2-7.保守・運用
コーポレートサイトはリニューアルして終わりではなく、サイトを公開した後も日々の改善が必要ですというお話は繰り返しお伝えしてきました。ややくどくなってしまいますが、それでも重要なのでここでも最後に触れておきます。
まとめ
コーポレートサイトは企業の顔であり、宣伝・広告の主要ツールとして認知度向上の効果を期待することができます。
一方で、コーポレートサイトのリニューアルは気軽にできるものではなく、会社としての経営戦略や事業内容、顧客など影響範囲が多岐に渡るため、検討することも多いです。
サイトをつくって公開すれば終わりというわけでもなく、継続的な運用を行う必要もあるので、リニューアルすべきタイミングの見極め、どのようなステップでリニューアルを行うのかは今回ご覧いただいた記事を是非参考にしていただければと思います。
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