
- 社名
- ホワイトエッセンス株式会社
- サービス名
- ホワイトエッセンス
- 事業内容
ホワイトニングのフランチャイズ事業展開で歯科医院の経営を支援。その他、医療機器やオーラルケア商品の製造・販売なども手掛ける。
ホワイトエッセンス株式会社は、「笑顔創造産業」を経営理念に掲げ、全国に300※の加盟歯科医院を持ち、医療ホワイトニングサービスを提供しています。
同社では、市場が拡大傾向にあるにもかかわらずWebサイト経由の予約数が伸び悩む状況を打開すべく、KARTE Blocksを導入。マーケティング担当者自らがWebサイト改善を実施できる体制を構築し、定期的に新たな施策を展開しています。
今回、同社マーケティング部 ToCマーケティング課の中島 大智さんに、KARTE Blocks導入の背景から具体的な活用方法、成果について詳しく伺いました。
※2025年4月末時点の加盟歯科医院数です。
市場の成長に反して予約数が伸び悩む状況を打開するためWebサイト改善を強化
まず、ホワイトエッセンスの事業内容について教えてください。
当社は全国に300の歯科医院とフランチャイズ契約を結び、「ホワイトエッセンス」というブランドで医療ホワイトニングサービスを提供しています。「笑顔創造産業」という経営理念のもと、お客様の人生がより豊かになるようなサービス提供を目指しています。
当社の強みは、自社開発した薬剤や照射器などの製品にあります。厚生労働省が効果を認めた成分を含む、薬事承認・特許取得済みの薬剤を使用できる点は、医療ホワイトニングならではの強みです。
中島さんの役割と部のミッションについて教えてください。
私はマーケティング部のToCマーケティング課に所属しています。当部署は6名体制で、主に加盟医院への新規送客とブランディングを担当しています。新規予約数の増加が最重要KPIとなっています。
私は新卒でホワイトエッセンスに入社し、現在3年目です。部内での私の業務範囲は、アフィリエイトやホットペッパービューティーなどの検索や予約アプリへの掲載管理、KARTE Blocksを使ったWebサイト改善を担当しています。
ホワイトエッセンス株式会社 マーケティング部 ToCマーケティング課 中島 大智さん
御社においてWebサイトはどのような役割ですか?
当社にとってWebサイトは、ブランドの価値を正しく、かつ魅力的に伝えるための重要な情報発信の場です。単にホワイトニングの技術や効果を伝えるだけでなく、私たちの企業理念である「笑顔創造産業」を体現する場でもあります。
私たちはホワイトニングを“歯を白くする行為”としてだけでなく、その先にある「人生が前向きになり、笑顔が増える」変化こそが本質だと捉えており、Webサイトでもその価値観を丁寧に伝えることを大切にしています。
他社と差別化するためにも、先ほどお話した当社の強みである「一番歯が白くなる」という価値を訴求したいところですが、医療広告ガイドラインの制約があるため、直接的な表現はできません。そこで、KARTE Blocksを活用し、弁護士の確認を得ながら、実装の自由度と法令遵守を両立させる工夫を重ねています。
また、Webサイトは、ホワイトニングに対する誤解を正す役割も担っています。たとえば、「ホワイトニングは歯に悪いのでは?」という懸念や、「サロンのホワイトニングでも同じ効果が得られるのでは?」といった誤解が根強くあります。実際には、医療ホワイトニングには歯周病や口臭予防といった副次的効果があることも、近年の研究で明らかになっています。こうした科学的な知見をわかりやすく伝えることで、お客様に正しい判断材料を提供することも、Webサイトの大切な役割だと考えています。
Webサイト改善に本格的に取り組むようになったきっかけは何だったのでしょうか。
ホワイトニング市場全体は成長しているにもかかわらず、ここ数年でWebサイト経由の予約数がじわじわと下がってきていました。そのため、新しい施策やWebサイト構造の見直しが必要だという認識が社内で高まっていました。
特に課題となっていたのが、安価なホワイトニングサロンの台頭です。当社が提供する医療ホワイトニングは効果が高い分、価格も高めに設定されています。ホワイトニングに関する知識が少ないお客様は、どうしても価格の安いサロンに流れてしまう傾向がありました。
当社の事業の主なターゲットは20〜30代の女性で、この年代の女性がホワイトニングへの関心が高いこともデータで明らかになっています。関心の高いターゲット層を明確に特定した上で、ホワイトエッセンスにより強い興味を持ってもらえるような情報発信を行い、予約数の向上を目指して、Webサイトの改善にも注力するようになりました。
顧客を深く知り、得た気づきを基にサイトを直接「改善」するために、KARTEシリーズを採用
KARTE Blocksの導入前、Webサイト改善にはどのような課題がありましたか?
最大の課題は開発工数の確保でした。Webサイトの改修を行うには社内のエンジニアに依頼する必要がありましたが、リソースが限られており、新しい施策の実施に時間がかかっていました。
また、お客様の声の収集も課題でした。マーケティング部は本社に属しているため、実際に来院されるお客様と直接お会いする機会がありません。過去にはユーザーウォークスルーテスト※を実施したこともありましたが、企画から実施まで時間がかかり、一度に多くの方の意見を聞くことができませんでした。お客様の声を収集できていないため、なにを改善すべきかの見極めも困難でした。
※ユーザーウォークスルーテストとは、ユーザーが実際にシステムやWebサイト、アプリなどを操作する際の一連の行動を、シナリオに沿って確認・評価するテストです。
KARTEシリーズの導入を決めた理由は何でしたか?
当初は離脱防止を目的に、ポップアップ表示を行うWeb接客ツールの導入だけを検討していました。しかし、プレイドの担当者と打ち合わせを重ねる中で、ポップアップの表示だけではなく、サイト自体の改善にも取り組むことが、顧客体験の向上に重要なことだと気づきました。
そこで、サイト構造や導線の改善が可能な「KARTE Blocks」をはじめ、KARTEシリーズを導入することに決定しました。より効果的な改善を目指し、サイト全体の構造や導線を見直すとともに、お客様の反応を継続的に観察・分析しながら、テストを通じて最適化を図っていく方針です。
また、KARTEシリーズは拡張性に優れているため、将来的にはメール配信や外部データ連携などで、顧客データを幅広く活用できる点も大きな魅力だと考えています。
「どうすればもっとサイトが使いやすくなるか?」から始めた、Webサイト改善の実践
KARTE Blocksを使って最初に実施した施策を教えてください。
最初の施策は、予約を促すCTAボタンの上に直近の予約数を表示するというものでした。「直近でこれだけの人が予約している」ということを可視化することで、お客様の行動を後押しできるのではないかという仮説のもと、KARTE Blocksにあるテンプレートを少しだけカスタマイズして実装しました。
実際に使ってみての印象はいかがでしたか?
実際に使ってみて感じたのは、直感的に操作できる点が非常に大きいということです。機能を覚えなければ使えないということはなく、触りながら操作方法がわかる感じで、iPhoneを使っているときの感覚に似ているかもしれません。わからないことがあってもチャットサポートにすぐに相談できますし、操作や施策の壁打ちなどなんでも相談できるKARTE Blocks相談室にも参加させていただきました。サポートの手厚さもあり、困ることはなかったですね。
ノーコードでWebサイトの編集ができるため、エンジニアの工数をかけずに自分だけで施策を実装できるようになったことも大きな変化です。A/Bテストも簡単に実施できるため、施策の回しやすさが格段に向上しました。
他に印象に残っている施策を教えてください。
先ほどご紹介した予約数を記載したCTAボタン施策以外に、印象に残っている施策が3つあります。
1つ目は「現在地から近いクリニックを見る」ボタンの新設です。対象ページは、ユーザーがクリニックを検索する導線の一つとなっている検索ページです。これまでは「都道府県から探す」といったリンクが中心で、ユーザーが行きたいクリニックを見つけるまでにやや手間がかかる構成でした。そこで、「もっと簡単に少ないステップで近くのクリニックを探したい」と考えるユーザーのニーズに応えるため、新たに「現在地から近いクリニックを見る」ボタンを設置しました。このボタンをクリックすると、ユーザーの現在地情報をもとに、近隣のクリニックが表示されるページへ遷移します。
実際、この「近くのクリニック一覧」ページはもともとCVRが非常に高いことがGoogleアナリティクスによる分析で判明していました。しかし、訪問数自体は少なく、ユーザーがそのページにたどり着きにくい状況だったのです。「こんなにCVRが高いページなのに、流入が少ないのはもったいない」「もっとわかりやすく目立つ場所から誘導できればCV全体が底上げされる」という仮説のもと、検索ページのわかりやすい位置にボタンを設置し、ユーザーの導線を強化しました。施策実施後は、該当ページへの遷移数が増加し、それに伴いCVRも改善。仮説どおりのポジティブな結果が得られました。
2つ目はクリニックを地図から探せる機能を新たに追加しました。この地図は KARTE Blocks を使ってページ内にGoogleマップを埋め込んでおり、ユーザーは地図上からクリニックを探せるようになっています。地図は自由に拡大・縮小が可能で、日本全国のクリニックの位置を把握できます。また、気になるクリニックをクリックすると、その詳細情報がポップアップ表示され、そのまま予約まで進めることができます。これにより、「どこにクリニックがあるのか視覚的に把握したい」「エリア全体を俯瞰して選びたい」というユーザーのニーズに応え、よりスムーズな検索・予約体験を提供できるようになりました。
最後に紹介するのは、ページ全体のデザインを比較検証するためにおこなったリダイレクトテスト形式のA/Bテストです。通常のA/Bテストでは、ボタンの色や文言など特定のパーツや要素を変更し、それらを比較することが一般的です。今回はページ全体の構成やデザインを大幅に変更した複数パターンを用意し、CVRを検証する目的でリダイレクトテストを実施しました。
失敗した施策もあったのでしょうか?
ありましたね。予約フォームには「日程から探す」と「医院から探す」の2つの導線があり、デフォルトでは「日程から探す」が表示されます。過去にGoogleアナリティクス で分析した時は「医院から探す」からの予約が多かったため、最初から「医院から探す」を表示すればCVRが上がるのではと考えました。しかし、実際にA/Bテストを行うと数字は伸びなかったのです。KARTE Live※を使ってより詳しく分析すると、多くのお客様が両方の画面を切り替えながら見ていることがわかり、最初にどちらを表示するかは意思決定に影響しないということが判明しました。
※KARTE Liveとは、顧客の行動を動画で可視化することで、数値や言葉では表しきれない顧客の感情や文脈、背景などの”行間”を読み解くことができるプロダクトです。
施策の成功がモチベーションに。社内メンバーも巻き込んだ活用へ
実行する施策はどのように検討を進めているのでしょうか。
施策の開始日、目的、内容、そして結果はNotionにまとめています。ユーザーと直接の接点を持つチームではないため、顧客理解を深める手段として、ユーザー別の効果探索を使い、PCユーザーやスマートフォンユーザーなどのセグメントに分けて分析を行っています。
また、先ほど触れた予約フォームの施策でも活用したように、KARTE Live機能をつかえば実際のユーザー行動を動画で確認でき、それをもとにn1分析を行っています。
特定のページに絞って観察することで、「意外とそこを見ているんだ」とか「見てほしい部分が見られていないんだな」といった発見があります。
こうした発見の具体的な一例として、予約数が伸び悩んでいたページの改善が挙げられます。まず、このページを初めて訪れたものの、予約には至らなかったユーザーの行動に注目し、KARTE Liveを使って彼らの実際の動きを動画で確認しました。
すると、多くのユーザーが予約につながる重要なコンテンツにたどり着く前に離脱していることがわかりました。この結果から、もしかしたらページの構造が、ユーザーが目的のコンテンツにたどり着くのを妨げているんじゃないか、という仮説が生まれたんです。
そこで、ページの途中にある該当コンテンツへ直接飛べるアンカーリンクを上部に設置しました。この改善策を実施したところ、このページからの予約数が実際に増加しました。
改めて、KARTE Blocksの導入による変化について教えてください。
最大の変化は、エンジニアに依頼せずに、自分自身でサイトの改修やA/Bテストを行えるようになったこと、そしてその施策が結果につながっているかどうかを自分で確認できるようになったことです。うまくいかないこともありましたが、施策が成功したときには大きな達成感がありますし、「もっとサイトを良くしたい」という意欲にもつながっています。
導入当初は、HTML・CSS・JavaScriptといったコードの知識はほとんどありませんでしたが、KARTE Blocksの導入をきっかけに興味を持つようになり、**今ではコードをカスタマイズした施策にも取り組めるようになりました。**そういった点でも、自身のスキルアップを実感しています。
また最近のキャンペーンでは同じ課のメンバーにも協力してもらい各ページへバナー設置作業を行いました。こうした実践を通じて、私だけでなく他のメンバーにもKARTE Blocksの使い方が浸透し始めており、最近では、簡単な修正や更新であればメンバー自身が対応できるようになっています。これまでエンジニアに依頼していた作業を現場で完結できるようになり、チーム全体の業務の進め方にも変化が生まれています。
今後の展望について教えてください。
今後は、より良いサイト体験を提供していくために、日々の業務改善とお客様への価値提供の両面で取り組みを深めていきたいと考えています。
特に、KARTE Liveの分析については、さらに活用の幅を広げていく予定です。一人ひとりのWebサイト回遊状況が映像で確認できるのは素晴らしい機能ですが、限られた時間でより多くの発見を得られるよう、効率的な活用方法を模索していきたいですね。
Webサイト改善は楽しいですし、自分の興味のある業務として取り組めています。お客様の反応が普段見られない分、KARTE Blocksを通じて数字と映像も確認できることで、達成感を感じながら、もっとよくしていきたいという意欲につながっています。
また、ホワイトニングのニーズが高まる一方で、選択肢の多さに戸惑う方も少なくありません。誤った情報をもとに選んでしまうことで、期待した効果が得られず、ホワイトニングに対してネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。
そうした『後悔のないホワイトニング体験』を提供するために、「どのような基準で選べばよいのか」「自分にはどのブランドが合っているのか」といった、意思決定の助けになる情報を届けられるサイトを目指していきます。ホワイトニングを検討されている方々が納得して選んだ結果として、ホワイトエッセンスを選んでいただけたなら、これほど嬉しいことはありません。
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