ノーコードでLPもマイページもパーソナライズ。美容D2C『FUJIMI』によるブランドの世界観を体現するサイト運営

社名
トリコ株式会社
サービス名
FUJIMI
事業内容

FUJIMIは「美しさを私らしく」をコンセプトに掲げるパーソナライズビューティケアブランド。約30問の美容にまつわる設問によるパーソナライズ分析“FUJIMI MIRROR”をもとに、顧客に合わせた商品を届けています。現在サプリメント、フェイスマスク、プロテインを展開しています。

トリコ株式会社が開発・提供するパーソナライズビューティケアD2Cブランド『FUJIMI』。独自の設問から成る“パーソナライズ分析”の結果をもとに顧客一人ひとりに合わせた商品を届けています。

FUJIMIにとって、Webサイトは新たな顧客にパーソナライズ分析を試し、商品やブランドへの信頼感を高めてもらうための重要な接点の一つ。その接点において、顧客に合わせてパーソナライズした体験を届けるためKARTE Blocksをどのように活用しているのか、プロダクトマネージャーの鈴木瑠斗さんにお話を伺いました。

テクノロジー×クリエイティブで「自分に合う」と出会える体験を

はじめに、FUJIMIがどのようなブランドか教えてください。

鈴木:「美しさを私らしく」というブランドコンセプトの示す通り、FUJIMIというブランドの特徴は「パーソナライズ」です。20から30の設問から構成される独自のパーソナライズ分析“美容FUJIMI MIRROR分析”の結果をもとに、お客様一人ひとりの体調やライフスタイルに合わせた商品をお届けしています。

2019年1月にサプリメントをリリースし、プロテイン、フェイスマスクと商品のラインアップを拡充してきました。従来はオンラインでの商品販売がメインでしたが、2022年3月には「ルミネ新宿店 ルミネ2」の2Fに初の常設店をオープン。リアルの接点でも独自のカウンセリングやお客様の悩みに合わせた提案を行っています。

トリコ株式会社プロダクトマネージャー 鈴木瑠斗さんのバストアップ写真トリコ株式会社 プロダクトマネージャー 鈴木 瑠斗さん

なぜFUJIMIではパーソナライズを重視してきたのでしょうか?

鈴木:代表の花房がサプリメントに感じていた課題が背景にあります。花房は、もともと美容系のメディアを運営し、化粧品やサプリの紹介記事を多く執筆していました。その際、人それぞれの悩みに合ったサプリを見つける難しさを痛感。自らサプリブランドを立ち上げて「どれを飲めばいいかわからない」と悩む人に寄り添いたいと考えたそうです。

どのように一人ひとりに寄り添う体験を届けているのでしょうか?

鈴木:FUJIMIのパーソナライズ体験を下支えするのは「テクノロジー」と「クリエイティブ」です。

「テクノロジー」については、カートシステムを自社開発し、注文・購買データを一括管理できる環境を構築しています。さらに開発からデザイン、マーケティングまで主にインハウスで実施、クイックに改善を回せる体制を築いてきました

もう一つの「クリエイティブ」については、商品のパッケージからWebサイトにいたるまで、洗練されていてシンプルかつ、ユニークなFUJIMIらしいデザインを大切にしています。FUJIMIの世界観を理解しているインハウスのデザイナーたちが質と一貫性を保ってくれています。

ノーコードや細かなセグメント設定に惹かれて導入を決意

FUJIMIにおけるWebサイトの運営体制について教えてください。

鈴木:PMチームと開発チームがメインで運営を担っていますが、カスタマーサクセスやマーケティング、PdM/商品開発など複数のチームが関わる形です。

PMチームと開発チームに加え、施策のアイデアや要望がある場合に、カスタマーサクセスチームやマーケティングチームも参加して、週一の定例を実施。イシューや施策の優先順位を決めて実施しています。各チームの進捗はすべてガントチャートで一括管理しており、軽い文言の変更なども含めると、1週間で10個前後の施策の仕様が新たに策定されています。

鈴木さんはどのような役割を担われているのでしょうか。

鈴木:少し前まで、新規顧客の獲得やLPの改善を担い、各ページのファネル遷移率や最終的なCVRをメインのKPIとして追っていました。

FUJIMIのサイトは、FUJIMI MIRRORというパーソナライズ分析コンテンツがあるので、お客様が広告などからLPを訪れ、商品を購入するまでのステップが多いんです。一般的なECサイトよりもファネル数が増えるため、各ファネルの遷移率を細かく見て、改善していくことが重要です。

現在も同じKPIを追っていますが、メインのPM業務は他の人にお任せし、私は新商品のリリースに向けたWebサイトの設計や構築に関わっています。

LPやWebサイト運営においてどのような課題を感じ、KARTE Blocksの導入に至ったのでしょうか?

鈴木:私がLPの改善を担当することになった際、Webサイトの施策を考えるのも、エンジニアに依頼するのも初めてで、右も左もわからない状態だったんです。ちょうどそのタイミングで、KARTE導入時のキックオフがあり、プレイドの方からKARTE Blocksを紹介いただきました。

まず、サイト運営の知識が十分でなかった自分にとって、ノーコードでサイトやLPを編集できる点は大きな魅力でした。加えて、それまで流入経路ごとにLPで表示するコンテンツを最適化できていなかったので、セグメントを柔軟に設定し、施策を出し分けられる点も惹かれました。豊富な機能を揃えているのに対して価格も手頃だと感じていました。

広告チャネルごとの柔軟なパーソナライズ施策で成果を出す

実際にKARTE Blocksを使ってみた感想を教えてください。

鈴木:ボタンや文言など細かい部分のABテストを、エンジニアの力を借りずに実装できるのは、非常に便利だと感じました。「購入」以外のイベント、たとえばパーソナライズ分析の実施、購入フォームの表示などのイベントの数値も取得できる。各ファネルの顧客の反応を詳細に確かめながら、施策の検証を回せました

また、導入以前の期待通り、セグメント設定を柔軟に行えて助かりました。ディスプレイ広告やアフィリエイト広告など広告の種類、あるいは出稿先の広告プラットフォームごとに、表示するコンテンツを出し分ける施策も試し、手応えを感じられています。

実際にどのような施策を行いましたか?

鈴木:たとえば、特定の年齢層向けに配信した広告から来訪した場合に、ファーストビューの切り替えを行う施策を行いました。 具体的には、広告媒体側でセットしたクエリパラメータを含んでいるかどうかでユーザーを識別し、ABテストを行いました。 開発工数を使わずクイックに検証でき、LPの改善に役立てられた事例です。

広告経由や年齢ごとのパーソナライズ以外に、印象深い施策はありますか?

鈴木:LPのファーストビューの価格表示を変更する施策です。もともと1円単位の税込価格をメインで表示していたのですが、中途半端でわかりづらいのではと思い、税抜価格をメインで表示するパターンでABテストを行いました。結果として、税抜価格のパターンだと分析完了率が9.8%ほど、購入は22.9%ほど改善し、税抜価格をメインで表示するようにしています。(※2021年12月 トリコ株式会社調べ)

加えて、カスタマーサクセスチームの施策では、FUJIMIの会員向けマイページで、購入されている商品や定期購入の有無によってセグメントを分け、合わせてご利用いただきたい商品を案内するバナーを追加で設置。セグメント別にバナーを出し分けています

クリック後は一度商品LPに遷移するのですが、その次の分析ページには約3、4割の方が遷移してくれています。今後も新たな商品を開発・提供していきますので、既存のお客様へ自然な流れで別の商品をご提案していくことを模索していきます。

KARTE Blocksを使って“FUJIMIらしさ”をサイト運営でも体現

KARTE Blocksを導入して、チームの動き方に変化はありましたか?

鈴木開発チーム以外のメンバーでも、簡単な施策の実装やUIの改善を行えるようになったのは大きな変化です。マーケティングチームならLPの改善、カスタマーサクセスチームならマイページのUI改善などを、ある程度自分たちだけで完結できる。仕様を策定して開発チームに依頼する工程を省略できるので、施策の実施スピードが上がりました。私の感覚ですが、丸1~3日くらい短縮されたと感じます。

これまで、開発チームを巻き込む必要があったので、大きなリリースプロジェクトの狭間に少し空いたリソースなどを有効活用できていませんでした。ですが、今は各メンバーがそれぞれクイックに動けるので、細かな改善を進めやすくなりました。大きな施策は全社で協力、細かな施策は少人数でどんどん試すという形で、効率的にサイト運営を進められています

鈴木さんは当初LPOについて「右も左も分からなかった」とのことですが、KARTE Blocksを導入して変化はありましたか?

鈴木施策の立案から実行、検証、振り返りまでの一連のサイクルを素早く実践することで、LPOやサイト運営の知見やノウハウを体得できました。サイトのシステムにまつわる知識も増えたことで、開発チームとの連携もよりスムーズになったように思います。

最後に、これからのサイト運営における展望を教えてください。

鈴木:今、FUJIMIはブランドとしてアイデンティティをどう育て、価値を育てていくかを考えるフェーズにいると捉えています。KARTE Blocksを使って部門やチームをまたいで素早く仮説検証を回しながら、ブランドとしてのメッセージや顧客体験の全体像、サイトにおける「こうあるべき」を議論し、お客様の体験に反映していきたい。

そもそもLPに“FUJIMI MIRROR”という形で比較的長めのパーソナライズ分析コンテンツを用意しているのも、ステップ数が増えるので、LPOの定石からは少し外れているんです。けれど、FUJIMIの根幹であるパーソナライズビューティケアブランドというコンセプトを形にするうえでは欠かせないもの。「遷移するページが多いと離脱率が高まるから」といった理由で減らしてしまったら、お客様に自分にあった商品を見つけ、買っていただくことが難しくなるかもしれない。もちろん、質問の最適化やストレスなく遷移できるページ設計などは大切ですが、これからもパーソナライズというFUJIMIのブランドとしての軸を大切にしていきます。

活用事例

1. 特定のユーザー層向け広告から流入時、LPのファーストビューや構成をパーソナライズ。開発工数をかけずマーケターで高速検証

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2. 定期購入中の商品によって、マイページ上で別商品を追加でレコメンド。自然な形でセット購入を促進

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