Shopify(ショッピファイ)の基本情報と構築におけるメリット・デメリット

ECサイトの構築準備を進める過程でShopifyは聞いたことはあるけれど、「海外のサービス?」「月額費用がドルらしいし難しそう」「うちでも使えるのかな」と、まだまだ未知な存在だと感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、Shopifyの基本情報をマスターし、日本での事例も交えながら導入におけるメリットや注意点をご説明していきます。売上規模に関係なくお使いいただけるサービスなので、まだよくご存知ないという方はぜひ最後までご覧ください。

Shopify(ショッピファイ)とは

誰でも簡単にネットショップを開設できるECプラットフォームのひとつであるShopifyは、2004年にスノーボードのオンラインストアとしてトバイアス・トビ・ルーク氏が創業しました。

現在はカナダに本社を構え、世界175カ国170万以上のネットショップが運営される多国籍Eコマースプラットフォームとして、世界に広く認知されています。世界全体での流通総額は$2,000億米ドルを超え、日本でも、少しずつその認知と利用が拡大されています。

2021年の公式発表によると、2019年から2020年までで流通総額が323%の伸びを見せ、新規出店数の伸び率は国内だけでも前年比228%増。利用者だけでなくシステム開発や制作に関わる企業も増え、今後の更なる発展が期待されています。

Shopify(ショッピファイ)でECサイトを構築するメリットとデメリット

冒頭でもお伝えした通り、誰でも簡単にネットショップを開設できるECプラットフォームであるShopifyには、"簡単"という一言では表せない多くのメリットがあります。費用・機能・保守や運用などの面からメリットをご紹介していきますので、ぜひ導入の参考にしていただければと思います。

2-1.ShopifyでECサイトを構築するメリット

1.初期費用0円、固定費も安価で始められる
詳細な料金については後述しますが、初期費用がかからず、低コストで導入できるというのが一番のメリットではないでしょうか。どのプランを選択しても、基本機能には差がないというのも嬉しいポイントです。

また、常時SSL化(データ通信の暗号化)が無料であったり、決済サービスの固定費が無料であったりと、他社サービスであればオプション料になる部分がShopifyではプラン内に含まれている、もしくは安価に利用できる点は大きいと言えます。

2.デザインや機能のカスタマイズに柔軟に対応できる
「テーマ」と呼ばれるサイトのデザインテンプレートの利用にとどまらず、アプリを利用して機能を拡張したり、フォントや画像の変更もできたりするため、オリジナリティのあるECサイトを作成できます。

また、有料テーマであっても公開するまでは自社の商品を使用して無料で試すこともできるため、自社ECサイトの運用イメージがしやすくデザインの作り込みに役立ちます。

3.販売チャネルが豊富に用意されている
自社サイトに限らず、インスタグラムやFacebookなどのSNSでの販売、また、楽天市場との直接連携も可能なため、さまざまな販路に対応できます。

また、POS機能を使用することで、売上や在庫状況をWebストアと実店舗とで同期してスマートに管理することも可能です。

4.商材の自由度が高い
Shopifyでは、在庫のある通常の商品販売はもちろん、ダウンロードコンテンツや旅行パッケージなど、形のない無形商品の販売もでき、商材の自由度が高いです。

5.決済方法が豊富である
使用できる決済方法が豊富で、さまざまなケースに対応しています。また、登録完了したその日から利用できるShopifyペイメントは初期費用や月額固定費もかかりません。

6.Shopifyアプリが豊富で、成長に必要な全てを1サービスでまかなえる
Shopifyの中には基本機能はもちろん、6,000種を超えるアプリが用意されています。販売前の準備〜ネットショップの構築、公開後に成長を加速させるための機能、販路を拡大していくのに必要な機能まで幅広いアプリを活用できます。

7.日々の保守や、アップデートが不要である
クラウドベースのサービスということもあり、サーバーのメンテナンスや機能のアップデートは自動で行われます。常に、最新のシステムを安全な状態で利用できるのは大きな魅力です。

8.直感的な使用で自然に使いこなせるようになる
公式サイトのサービス紹介動画では「ShopifyはiPhoneのようなもの」と説明されています。始めは使い方がわからなくても、直感的になんとなく利用しているうちにいつの間にか使いこなせるようになっていくUI/UX設計というメッセージです。

9.海外展開のハードルが低い
どの国でも取引ができるように、海外発送のほか、50の言語と130ヵ国以上の通貨に対応しており、海外向け越境ECサイトの作成もスムーズに行えます。

2-2.ShopifyでECサイトを構築するデメリット

1.英語力を求められる場合がある
サポートに関して、日本語での対応は現在メールのみとなっています。アプリやマニュアルに関しては英語表記のものも多く、サイトを運営するにあたっては英語が必要になる時があります。

日本の開発者のアプリに関してはアプリ検索の中の「コレクション」から確認できるようなので、英語が苦手な方はまずチェックしてみることをおすすめします。

2.HTMLやCSSの知識が必要な場合がある
知識がなくてもShopifyを利用することはできますが、より細かなカスタマイズや修正などオリジナリティを追求していく場合にはコーディングの知識が必要になってきます。

あるいは、それらの機能開発を外注する際にも、最低限のHTMLやCSSの知識を持っていた方がエンジニアとのコミュニケーションがスムーズです。

Shopify(ショッピファイ)でECサイトを構築する手順

Shopifyの始め方についてご紹介していきます。難しい操作は出てきませんので、「無料体験」から実際にご自身で手を動かしながら下記の文章を読んでいくと、よりスムーズに理解できると思います。

3-1.アカウント(ストア)作成

まずは、14日間の無料体験からスタート。Shopifyのホームページにてメールアドレスを入力したら「無料体験をはじめる」をクリックし、あとは指示に従って必要項目を埋めていき、ストア情報の初期設定を完了させます。

3-2.テーマの編集

次に、テーマストアからお好みのテンプレートを選択してデザインのカスタマイズをしていきます。無料のものから有料のものまで、様々なテンプレートが用意されているので、自社のイメージに合ったテーマを選択し、カスタマイズしていきましょう。

業界やテイスト、トレンドなどでジャンル分けされたおすすめが表示されているので、選びやすくなっています。気になるテーマを見つけたら、詳細を確認していくとおすすめの用途やテンプレートの使用事例なども提示され、作業を進めやすい工夫が施されています。

3-3.商品登録

  • 商品名
  • 商品情報
  • 商品画像
  • 売価
  • 在庫設定
  • 配送設定
  • バリエーション

などの必要情報を登録していきます。随時見直しながら修正していけば問題ないので、初めから全てのデータを完璧に用意しておく必要はありません。

3-4.コレクションの作成

コレクションとはいわゆるカテゴリのことで、登録した商品の管理のしやすさや、ユーザーの探しやすさのためにグループ分けをしていきます。

3-5.ページの作成

お問い合わせページや特定商取引法に基づく表記など、商品ページ以外のページについても作成してみましょう。また、Shopifyでは「メニュー機能」から簡単にヘッダーやフッターにメニューを追加することも可能です。

3-6.決済方法の選定

決済方法を選定していきます。クレジットカード決済のShopify ペイメントについては初期費用&月額固定費0円でアカウント登録のその日から安全に利用できます。(VISA、Master、Apple Payなど)

その他、PaypalやAmazonPayなど、さまざまな決済方法の選択が可能なため自社にぴったりの決済方法を設定できます。

3-7.配送料金の設定

都道府県や重量に応じて、送料の設定をしていきます。最初はデフォルトで国内配送すべて「1,000円」で設定されているので、「いくら以上であれば送料無料にする」など、送料を細かく設定しておきます。

Shopify(ショッピファイ)でECサイトを構築する費用

Shopifyには、主要プランが3つ(ベーシック、スタンダード、プレミアム)と、その他2つ(Shopify Plus、ライト)のプランが用意されています。

どのプランも初期費用は0円で、ライトプラン以外については、共通で使える機能もたくさんあります。まずは、共通で使える機能の紹介と、その後にそれぞれのプランの料金とその内容の差について簡単にご紹介します。(2022年7月調べ)

4-0.全プラン共通

  • オンラインストア
  • 商品登録(無制限)
  • 24時間サポート(英語)
  • 販売チャネル
  • 注文の手動作成
  • クーポンコード
  • 無料SSL証明書
  • 国際マーケティング管理
    など

4-1.ベーシックプラン

月額費用:29USD
推奨規模:個人ビジネス、初めてのECサイト

  • スタッフアカウント数:2
  • 在庫のロケーション:最大4(実店舗、倉庫、ポップアップなど、商品のあらゆる在庫場所に在庫を割り振り)
  • レポート:なし
  • 日本のオンラインクレジットカード手数料:3.4%(その他の決済関連手数料にも差があります)

4-2.スタンダードプラン

月額費用:79USD

  • 推奨規模:中小企業、スタッフが増えてきた
  • スタッフアカウント数:5
  • 在庫のロケーション:最大5(実店舗、倉庫、ポップアップなど、商品のあらゆる在庫場所に在庫を割り振り)
  • レポート:標準
  • 日本のオンラインクレジットカード手数料:3.3%(その他の決済関連手数料にも差があります)

4-3.プレミアムプラン

月額費用:299USD
推奨規模:中小企業、効率化を図ったりより高レベルなデータ分析をしたい

  • スタッフアカウント数:15
  • 在庫のロケーション:最大8(実店舗、倉庫、ポップアップなど、商品のあらゆる在庫場所に在庫を割り振り)
  • レポート:標準
  • 日本のオンラインクレジットカード手数料:3.25%(その他の決済関連手数料にも差があります)

4-4.Shopify Plus

月額費用:2,000USD〜
推奨規模:大企業
※大幅にカスタマイズできる領域が増える
※Plus専用アプリの使用が可能

4-5.ライトプラン

月額費用:9USD
推奨規模:Webサイトが必要ない方向け

プランの選び方についてですが、まずは月間売り上げを予測して月額利用料と決済手数料を足した数字を比較します。その上でお得なプランや欲しい機能を確認して検討してみましょう。例え事業規模が拡大しても、同じプラットフォームで対応できるのがShopifyの大きな魅力のひとつです。

また、ご紹介したどのプランを選択しても、初期費用は0円で基本的には月ごとの契約となり契約プランの変更はいつでも可能です。月毎の契約以外に、お得な年間契約もあり、契約年数によって割引を受けることができるので参考にしてみてください。

  • 1年契約▶︎10%割引
  • 2年契約▶︎20%割引
  • 3年契約▶︎25%割引

2022年7月時点。詳細や最新情報については、こちらのページをご確認ください。

Shopify(ショッピファイ)を自社で構築するのに向いている企業

5-1.基本機能だけで目的を果たせる

メリットの中でもお伝えした通り、Shopifyには1サービスの中で販売〜運営、分析、集客、在庫管理など、ECサイト運営に必要な機能が一通り揃っています。

そのため、基本機能だけで目的を果たせる小〜中規模のストア運営の場合には、Shopifyは低コストで運営できるので非常におすすめです。

一方で大規模ストアの場合、基本機能を超えたカスタマイズの必要が出てくる可能性があるため要検討です。

5-2.専任の担当者がいる

専任の担当者がいなければ、どうしても外部の開発会社やフリーランスにShopifyの構築を依頼せざるをえません。兼務で任せることも可能ですが、EC関連業務のタスク量を考えるならばおすすめしません。

また、初期設定や構築の話だけではなく、ECサイトはリリースしてからは運用業務が始まることもあり、そういった観点でも専任の担当者の有無は重要になってきます。

5-3.ECサイトの規模が小さい

1つめのポイントとも重複する部分もありますが、ECサイトの規模が小さかったり初めてのECサイト運営だったりする場合には、初期費用0円・固定費が安価なShopifyは「とりあえず」でやるにはとり組みやすいプラットフォームです。

規模が小さいECサイトの構築であれば複雑なカスタマイズを求められないことが多いので、専任スタッフが時間をかけることができればサイト構築は難しくありません。

5-4.事例

土屋鞄製造所
引用元:Shopify ブログ

自走・内製できる体制づくりにも注力しながら、Shopifyへの移行を実行。移行時にはShopifyパートナーと協業しながら、サイトリリース後に多くの業務を自社内で行えるよう目指しました。

ブランドのこだわりを実現するためのアプリやテーマ選定に時間をかけ、土屋鞄らしいサイトの設計に成功。
スピード感を持った意思決定と実装が可能となった新体制では、より効果的に施策も実行できています。

スズキ
引用元:Shopify ブログ

スズキが運営する「S-MALL」は複数のストアを集めたポータル型のECモールで、100%内製化をめざしてShopifyで開発されました。
担当者は"小さく早く始めて、素早く開発・改良できるのがShopifyの良いところ"と語っており、スズキの変革期において、自由度の高いShopifyが活躍しています。

おすすめ記事:初級者必見のECサイト構築の手順や制作時の注意点

Shopify(ショッピファイ)でのEC構築を外注する際の注意点

ECサイトの規模が大きい、専任の担当者がいない、あるいはカスタマイズしてオリジナリティのあるECサイトの構築を検討する場合には、外部業者への依頼を検討することになります。その際、次の注意点に気をつけて検討してください。

6-1.個人ではなく企業に依頼する方がベター

フリーランスでもECサイト構築代行のサービスを請け負っている方はいます。ただし、能力の判断が難しいことや、途中でその方に何か問題が発生した場合に、引き継いで対応してもらえる方がいないケースもあり得ることから、依頼する際は慎重に判断する必要があります。

また企業を選択する場合でも、実際にShopifyでの開発経験があるのか、どんなカスタマイズを行ったのかなど、事前に過去の事例や技術レベルをよく確認しておくことが重要です。

6-2.要/不要な機能を定義する

外注業者の選定で失敗しないためにも、まずは自社内でどんなサイトを作りたいのか機能の要/不要をしっかり定義しておく必要があります。

もちろん、技術や知識がないゆえ不明な点もあるとは思いますが、ご自身のECサイトでの購入経験やバックオフィスの業務経験を参考に、「表側の使い勝手や見た目の部分」と「裏側の業務効率」について検討し、自社にとって必要な機能の検討はしておきましょう。

6-3.外注費用の相場を把握する

費用についてはカスタマイズの内容によっても異なるため、公開していない業者も多いです。相見積もりを取り、自社が求める機能であれば費用がどれくらいかかりそうなのか相場を把握しておくことは大切です。

6-4.公式のサービスを利用する

Shopifyでは、Shopifyエキスパートを雇ってショップの設定やデザインなどを依頼することもできます。公式サービスのため機能提案や技術力にも安心感があり、業者の見極めに不安がある場合には、こちらのサービスの利用もおすすめです。

ECサイト構築後のサイト改善

ECサイトは構築して運用を始めただけでは、まだスタート地点に立っただけだと言えます。継続的にサイトを改善していくことで、お客様の購入体験をより良くしていくことが大事です。

そのためにも、ECサイト内に掲載しているバナーがそれぞれどれくらいクリックされているのか、異なる2パターンのデザインで試したらどっちの方がより購買に繋がるのか(ABテスト)といった改善を続けていく必要があります。

そうは言ってもECサイト修正の専門的な知識がないご担当者様には悩ましい問題だと言えます。そのような悩みを解決すべくKARTE Blocksというサービスを最後にご紹介しておきます。

KARTE Blocksは、文言や画像、ボタンなど要素ごとの効果計測や、ABテスト、パーソナライズをプログラミングの知識がなくても簡単に実施することができるサービスです。

Shopifyで構築したサイトでもタグ1行で導入することができます。
サービス概要はこちら

まとめ

Shopifyのサービス概要と、メリットやデメリットについてご理解いただけましたでしょうか。事業規模に関係なく利用が可能で、1サービス内で完結できる便利さをご理解いただけたかと思います。

また自社開発にするか、外注するかの検討材料にもご活用いただける内容だったかと思いますので、Shopifyでの構築の際にはぜひお役立ていただければと思います。

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