スクラッチ開発とは?CMSやパッケージ開発との違い、メリット・デメリットを紹介
WebサイトやECサイトを開発する際、近年はCMSやECパッケージ、ASPの利用が広がっています。一方、これらを使わず、ゼロから開発する「スクラッチ開発」という選択肢もあります。
本記事ではスクラッチ開発のメリット・デメリット、他の開発手法との違いについて紹介していきます。
スクラッチ開発とは?
スクラッチ開発とは、パッケージ製品やCMSなどを使わず、独自にシステムやソフトウェア、Webサイトを開発することを指します。
既存のテンプレートやソースコードを一切利用せずに開発する場合は、フルスクラッチ開発と呼びます。
スクラッチ開発は、業務系アプリケーションや企業の基幹システムなどのシステム・ソフトウェア開発から、ECサイトやWebサイトなどのサイト開発まで、幅広く行われています。
本記事では、ECサイトやWebサイトにおけるスクラッチ開発に焦点を当て、解説していきます。
スクラッチ開発のメリット・デメリット
メリット:独自性の高さ、機能の拡張性
スクラッチ開発では、ゼロからWebサイトを作るため、独自性の高い機能やコンテンツ、デザインなどを実現しやすくなります。
また、機能の修正・追加、他システムとの連携などを行いたい場合も、より自由度の高いカスタマイズができます。サイトを利用する顧客のニーズもちろん、運用する社内メンバーのニーズやワークフローに沿った、柔軟なサイト開発が可能です。
他にも、土台となる製品やCMSのサポート・サービス終了に伴うサイト移行などのリスクがない点なども挙げられます。
デメリット:コストと制作期間の長さ
デメリットしては、ゼロから開発をするため、他の開発方法よりも費用や時間がかさみやすい点が挙げられます。開発を始める前の仕様を決定する段階などにも、一定の時間を見込んでおく必要があります。
CMS、パッケージ開発、ASPとの違い
WebサイトやECサイトにおいて、スクラッチ開発と比較される対象に、CMSやパッケージ開発、ASPなどが挙げられます。以下ではそれぞれの概要を紹介します。
CMSとスクラッチ開発
CMSとは、画像やテキストなど、Webサイトを構成するコンテンツ、それらをどのように表示するかを示すデザインテンプレートなどを、一元的に更新・管理できるシステムを指します。
参考記事:CMSとは?最適なCMSの見極め方と、より柔軟なサイト管理を実現する新たなアプローチを解説
コーポレートサイトや採用サイトなどを制作する場合、更新しやすいようCMSを使うケースが主流になってきています。テンプレートを使用する場合は費用を抑えて導入できますが、使用せずに独自性の高いサイトを作る場合、それなりの費用がかかります。
CMS | フルスクラッチ | |
---|---|---|
費用 | 数十万円から数百万円 | サイトの要件によっては数千万円規模になることも |
開発期間 | 数ヶ月 | 要件によって数ヶ月から半年前後 |
機能の拡張性 | 高い | 非常に高い |
パッケージ開発、ASPカートとスクラッチ開発
ECサイトを開発する場合、スクラッチ開発以外に、パッケージ開発やASPカートなどの選択肢があります。
ECサイトにおけるパッケージ開発とは、必要な機能を搭載したECパッケージを利用し、独自にカスタマイズすることを指します。
ASPカートとは、サーバーを用意せずとも、クラウドでECサイトを簡単に作れるサービスです。ShopifyやBASEなどサイト開発の知識がなくとも、手軽に利用できるサービスが人気を集めています。
ASP | パッケージ開発 | スクラッチ開発 | |
---|---|---|---|
費用 | 安い(数千円〜数万円) | 高い(数十万円から数百万円) | 非常に高い(サイトの要件によっては数千万円規模になることも) |
開発期間 | 短い。数週間で終わることも | 数ヶ月 | 要件によって数ヶ月から半年前後 |
機能の拡張性 | 各ASPのサービスによる | 高い | 非常に高い |
このように開発手法によって費用や開発期間、機能の拡張性は異なります。
一般的に、規模が大きく、独自性の高い機能を備えたサイトを開発したい場合、スクラッチ開発が向いていると言われます。一方、近年ではCMSやパッケージ開発、ASPカートでも、アプリやプラグインを利用し、独自に機能を拡張しやすくなっています。
作りたいサイトや盛り込みたい機能、割ける費用や時間のバランスを考慮して、最適な開発手法を検討する必要があるでしょう。
スクラッチ開発の進め方
スクラッチ開発を進める際は、社内で要件を話し合い、制作会社の比較・選定を行います。要件定義の詳細は制作会社の決定後に行うことが多いですが、最低限盛り込みたい機能については制作会社を選ぶ前に話し合っておくと良いでしょう。
制作会社によって得意分野やできること・できないことが異なるため、最初の段階で何がしたいか明確になっていると制作会社の選定もしやすくなります。
制作会社が決まったら、大まかに以下の流れで制作を進めます。
- 要件定義
- 構成作成
- デザイン作成
- コーディング
- テスト公開、チェック
- 本番公開
- 運用開始
こうして書いてみるとシンプルですが、要件定義に多くの時間を要することもありますし、長い制作期間のなかで「この機能を追加したい」など要望が出てきたら、それを反映するための時間もかかります。
スクラッチ、パッケージ問わず、サイト運用を効率化
トップページはスクラッチで開発し、更新頻度の高いバナーエリアにCMSを部分的に導入。EC機能はASPを利用する、といった具合に、スクラッチ開発とパッケージ開発、CMSを組み合わせる形で、Webサイトを開発・カスタマイズするケースもあります。
そうした場合、Webサイトのページやパーツ、目的によって管轄部署が異なったり、使用しているツールが複数あってスキルが高度化して扱える人が少ないなど、運用が複雑化してしまうケースが多くあります。
このように複雑化したWebサイトの運用をシンプルにし、サイトの運用・改善を効率化するために開発されたのがプレイドが提供するBMS(Block Management System)「KARTE Blocks」です。KARTE Blocksは、スクラッチ開発かパッケージ開発かを問わず、どのようなサイトでもタグ1行で導入でき、サイトのあらゆる要素を”後から”編集可能にします。
文言や画像、ボタンなど、Webサイトを構成するあらゆる要素を「Block」に分解し、ノーコードで管理や更新、評価、改善を行うことができます。
ブロックに表示する内容のパーソナライズや、クリエイティブのABテストも実施できます。顧客の反応を確かめながら、継続してサイトのパフォーマンスを向上していくことができるため、サイトの運営を効率的に行えるのはもちろん、改善のPDCAを高速で回していくことが可能です。
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WebサイトやECサイトの開発手法が多様化し、システムも複雑化する昨今。適切な開発手法を選ぶのはもちろん、運用の効率化やスムーズな改善に必要なツールの導入も、合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
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