【用語解説】ノーコードとは?サイトやアプリの開発・管理体験を向上させるツールを紹介
Webサイトやアプリにおいて顧客に優れた体験を届けるには、一度作って終わりではなく、アイデアを素早く形にし、反応を確かめながら改善サイクルを回すことが大切です。
しかし、社内調整やコミュニケーションのコストがかさむ、あるいは必要なスキルを持つ人材が足りないなど、様々な制約によって、思うように開発や運用を進められないケースも少なくありません。
そうしたWebサイトやアプリの開発・運用をめぐる課題を解決すると、近年注目を浴びているのが「ノーコード」です。今回は、そもそもノーコードとはどのようなものなのか、代表的なツールやメリット、ツール活用時の注意点をご紹介します。
コーディング無しの開発・運用を可能にする「ノーコード」
ノーコード(No Code)は、コーディング無しでWebサイトやアプリ、業務ツールなどを作成することや、そのための開発手法や技術を指します。
ノーコードのツールでは、コーディングの知識やスキルがなくても、クリックやドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で、WebサイトやWebアプリケーションなどを作成できます。
2020年にはAppleとAmazonがノーコードのツールを相次いでリリース、国内でも同年12月にはノーコードのアプリ開発プラットフォームを提供するYappliが上場を果たすなど、近年注目が集まっています。
ノーコードのメリットとは?
ノーコードのツールを利用すれば、従来の開発手法よりも、素早くWebサイトやアプリの開発・運用を行えます。運用開始まで数日、数週間といった事例も珍しくありません。
また、社内のエンジニアや外部ベンダーとの調整に割いていた人的・時間的コストも削減できます。これまで調整を担っていた人は企画や分析などの業務で、社内のエンジニアもより優先度の高い開発で、価値を発揮できます。
さらに、エンジニア以外のメンバーも、簡単にプロトタイプを作成したり、改善アイデアを反映できるようになります。アイデアを素早く形にし、社内のメンバーや顧客の反応を確かめながら、開発や改善を効率的に進められます。
なぜ今、ノーコードが注目されているのか?
ノーコードという概念やノーコードのツール自体は、以前から存在していました。なぜここ数年で一層注目が高まったのか。その背景について説明します。
サイトやアプリの開発・運用をめぐる課題
近年、Webサイトやアプリなどのシステムは複雑化し、開発や運用に必要なスキルや知識も広がっています。
さらに一定規模のWebサイトやアプリでは、担当する部署やチームが分かれているケースも珍しくありません。そのため改善に向けてちょっとした施策を行うにも、他部署や他チーム、あるいは外部ベンダーも含めた調整が必要になります。
そうした調整のコミュニケーションを担う人材、あるいは開発・運用を担えるエンジニアを集めるのも容易ではありません。
こうしたシステムや組織体制の複雑化、人手不足といった課題を解消するとして、ノーコードに注目が集まっています。
DXを推進したい企業ニーズにも合致
また、現在多くの企業がDXの推進に取り組んでいますが、既存システムの複雑化やブラックボックス化、IT人材の不足などの壁にぶつかっています。ノーコードのツールはこうした壁を取り払うための一つの手段としても期待されています。
実際に2020年6月には兵庫県加古川市の職員がノーコードのツールを活用し、特別定額給付金の申請システムを1週間足らずで開発したとして話題を呼びました。
参考記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?デジタル技術によって変わる業界や企業
目的別!代表的なノーコードのツールでできること
では、具体的にノーコードのツールにはどのようなものがあるのでしょうか。以下では用途別に代表的なノーコードのツールを紹介します。
Webサイト構築
- Wix:テンプレートを選び、ドラッグ&ドロップで画像やテキストを選択、Webサイトを構築・編集できる
- STUDIO:ビジュアルエディターでWebサイトのレイアウト設計や要素の追加、アニメーションの作成ができる
ペライチ:テンプレートを選び、文章や画像を追加、販売や予約受付機能も追加できる
ECサイト構築
- Shopify:ECサイトの作成やカスタマイズ、在庫・売上管理、分析、決済などを一括で行える
- BASE:テンプレートを選び、簡単にECサイトを作成、集客や販促、決済などを行える決済などを在庫・売上管理などを行える
アプリケーション開発
- Glide:Googleスプレッドシートを元に、アプリのように動作するモバイル向けのWebアプリ「PWA」を作成できる
- Adalo:モバイルアプリ(PWAとネイティブアプリ両方)を作成できる。デザインや作成、ログインや通知などの機能追加、データベース設計などが可能
- Bubble:Webアプリを作成できる。Adalo同様にデザインや機能追加、データベース設計が可能。サードパーティー認証機能も備えている
- Yappli:ネイティブアプリの開発から運用・分析を行える
業務効率化ツール開発
ノーコードのツールを利用する際の注意点
このように一言でノーコードと言えど、ツールごとに特性やできることは異なります。目的に合ったツールを選ぶことが重要です。
利用の難易度もツールによって多様です。難易度の高いツールでは一定の学習が必要になる場合もあります。
また、複雑なシステムを構築したい場合や、細かなカスタマイズを行いたい場合などは、ノーコードのツールでの対応が難しいケースもあるため注意が必要です。
サイト管理・運用をより自由にする「KARTE Blocks」
ノーコードでWebサイト管理・運営を行うことができ、細やかなカスタマイズにも対応しているのが、プレイドの提供する『KARTE Blocks』です。
KARTE Blocksは、ノーコードでサイトの更新・評価・管理ができるサービスです。Webサイトにタグを一行貼るだけで、画像やテキストなど、Webサイトの構成要素を「ブロック」に分けて整理、ノーコードで編集や更新、効果測定を行うことができます。
管理画面では各ブロックの編集・管理、クリック率やコンバージョン率などの数値管理を行えます。Webサイトを構成するあらゆる要素に対する顧客の反応を確かめながら、継続してパフォーマンスを改善できます。
また、ブロックに表示する内容のパーソナライズや、クリエイティブのABテストも実施できます。サイトの運営を効率的に行えるのはもちろん、事業を成長させるための改善のPDCAを高速に回していくことが可能になります。
ノーコードのツールは、Webサイトやアプリの開発・運用をめぐる負を減らし、一人ひとりが顧客の体験を向上するための創造的な作業に集中できるよう手助けします。ぜひ皆さんも活用を検討してみてください。
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