株式会社プレシジョンマーケティングは、デジタルマーケティングのコンサルティング、運用型広告の各種支援、各種プロモーション支援などを行うインターネット広告代理店です。
同社ではクライアントのLPOを推進していくために、KARTE Blocksを活用しています。
今回はコンサルティング事業部でクリエイティブディレクターを務める城下 勇一さんにLPOにおけるKARTE Blocksの活用方法についてお伺いしました。
広告運用だけなら簡単にできる時代。企業の課題は「心を動かすLP」へ
はじめに、プレシジョンマーケティングの事業内容を教えていただけますか。
私たちはデジタルマーケティングをメインとした広告代理店です。マーケティングやプロモーションの企画から実行までをクライアントに伴走し、支援しています。
城下さまはどういった業務を担当されているのですか。
主にGoogleやFacebook、LINEなどのデジタル広告の運用をしています。もう一つは、クライアントがイベントで使用する制作物のディレクション。WebサイトのキービジュアルからLP、オープニング動画なども制作しています。
広告運用やデジタルマーケティングにおいて、貴社のクライアントはどのような課題感を抱えているのでしょうか。
まず近年の広告運用を俯瞰すると、これまで広告代理店に委託していた企業も、自社で広告運用するケースが増えてきたように感じます。なぜなら、広告出稿や運用の際に必要だったターゲティングやセグメント、キーワード選定などは、テクノロジーの力でカバーできるようになり、以前より簡単にできるようになったからです。さらに新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでのプロモーションを強化する企業が多くなり、広告出稿するプレイヤーが増えています。
そうした状況下で、課題の多くが 「顧客の心を動かすためのアイデア接客をLP上でどう実現するか」 に移っていると感じます。顧客が広告を経由して、LPに辿り着いた時、どのようにコミュニケーションを取ればいいのか。ここにクリエイティビティの発揮と最適化が求められています。
顧客の心を動かす接客やコミュニケーションへの課題に対して、貴社の強みや特徴はどのような点にあるのでしょうか。
私たちは日頃から「人の心を動かしたい」と考えています。そのために、「言葉」を大切にしているんです。
広告やLPのクリエイティブ制作と聞くと、イラストや写真、色などの「イメージ」を作り込むものと思われがちです。イメージは雰囲気を伝えることができますが、人の心に衝動を起こすには決定打を欠くと考えています。例えば、笑顔の写真だけは「楽しそう」「幸せそう」という印象しか残らないですが、そこに「数々の試練を乗り越えた」という言葉を足してみる。すると、イメージに文脈が生まれますよね。言葉一つで、印象が大きく変わるんです。
テキストを追加すると写真にストーリー性(文脈)が加わる
LPOにおいても、私たちはまず言葉を固め、そこにイメージを合わせていくようにしています。
LPOにおける特徴も教えていただけますか。
勘や経験を頼りにするのではなく、認知科学やデザイン工学など、学術的な根拠をもとにクリエイティブ制作を進めます。特に、統計を活用した多変量分析テスト(※)は、制作における私たちの強みです。
根拠やデータに基づいた変数を考え、さまざまなパターンを試しながら最適なクリエイティブに近づけていく。量とスピードを持って答えを導いていく科学的なLPOであり、デジタル上でのコミュニケーションをリアルでフィジカルなコミュニケーションへ近づけるためのLPO戦略を心がけています。
※多変量分析テスト:Webキャンペーンやデジタルキャンペーンなどを実施する際、クリエイティブ内にある複数の要素を変更し、様々なパターンを作成。それらを同時にテストすること。
PDCAを素早く回すことが、LPOで成果を上げる鍵
クライアントのLPOを推進していくうえで、どのような課題がありましたか。
LPは、1ページ作るだけでも時間とコストがかかるものです。クライアントによっては、修正のために外注先に依頼をしなくてはならない場合もありますし、自社でも関係者、関係部門が複数いる状況もあります。依頼や共有のコミュニケーションに時間を割く必要があり、PDCAを高速で回していくのが難しいという課題 がありました。
私たちが得意とする多変量分析テストは、バリエーションを多く作り、統計的な有意差を見ながら要素を少しずつ組み替えて検証していく方式です。効果検証、改修のサイクルを素早く回せることは重要で、このスピードと量を妥協してしまうと、本来の価値が発揮しきれないんです。
特に、イベントに合わせて制作されるものなど、公開期間の短いLPでは、成果を最大化しきれないという課題がありました。
KARTE Blocksを導入して、それらの課題は解消されましたか。
KARTE Blocksでは、サイトをブロックに分解し、それぞれをピンポイントに管理画面から編集できます。複数のステークホルダーを通さずとも、テストや改修を進められるようになりました。運用を一任されているクライアントの案件などは、かなり素早くPDCAを回せています。
当然、より多くの検証結果を得られれば、曖昧だった事柄も具体化、数値化できるようになります。売り上げなど最終的な成果にもきちんとつながっていくので、お客さまも前向きにLPOに取り組んでいただくような好循環も生まれています。
KARTE Blocksの使い心地はいかがですか。
操作も直感的で「わかりやすい」印象です。例えば、LPの内容を変更したいときは、変更したいブロック箇所の管理画面ページを開いて更新していけばいい。サーバーを触ったり、ファイルを入れ替えたりする必要がありません。
季節性や地域性など外的要因に左右されるLPの運用に効果
KARTE Blocksを活用し、効果的なLPOにつながった事例はありますか。
とある教育スクール系のLPでは、特にKARTE Blocksとの相性の良さを感じました。学習塾や英会話教室といった教育系のカテゴリーでは、新学期や受験期など季節によるニーズの変動が起こります。また、ECサイトのようにオンラインで完結するのではなく、実際の教室に足を運んでもらう必要があります。その土地、街ごとの地域性も考慮しなくてはいけません。
これらの特性を踏まえて、クリエイティブにはその地域名や、時にはターゲットにしか理解できないキーワードを表示するなど、KARTE Blocksで細かなLPOを実施しました(※)。また、クライアントの各地域のご担当者の意見なども素早くLPに反映できています。
※入稿元でのクエリパラメーターによる出し分けで実現。ロケーションによる出し分け機能は未実装(2022年3月時点)
このように外的要因が多く、細かいアレンジが求められる場合には、KARTE Blocksとの相性は特にいいと感じています。
他にも、季節ごとのセールや、競合が多くの費用を投下した際など、突発的に新たな施策が必要な場合にも、KARTE Blocksなら対応しやすいと思います。我々のクライアントには教育系や求人系、BtoB商材といった、長期検討商材を扱う企業が多く、ユーザーの検討段階に合わせてクリエイティブを細かく変更していかなければなりません。その際も素早く実行できるのが大きなポイントですね。
広告だけでなく、LPも合わせて細かく素早い改修が可能になったのですね。
そうですね。流入元となる広告、流入先となるLPとで一貫性のあるコミュニケーションができるようになりました。新たなキャンペーンのため新たなクリエイティブの広告を運用したものの、LPが更新されていない。そんな付け焼き刃のような施策をなくすことができます。
これまで、LPを急いで変更するとなると、テキストが含まれる画像ごと取り換えてしまうのが最も手っ取り早い方法でした。しかし、そもそも画像内のテキストはGoogleクローラーがキーワードとして認識しません。SEOの面でも最適なLPが制作でき(※)、かつ素早い改修も実現できています。
※GoogleのドキュメントではJavaScriptが実行された内容をインデックスすると説明されており、弊社でも検証済みですが、クローラーによってはJavaScriptを実行できない可能性もあるため、Google Search ConsoleでURL検証をしてお確かめください。詳しくはこちらのサポート記事をご確認ください。
もっと「心を動かす」に注力していく
最後に、KARTE Blocksを今後どのように活用していきたいか教えてください。
KARTE Blocksで時間やコストをスリム化できた分、よりよい体験を考えていくことに注力していきたいです。パートナーである我々は「心を動かす」ための知識や精度を磨き、その課題に悩むクライアントに価値を発揮していきたいと思っています。
また、同じように心を動かすことを目的としたブランドサイトの最適化などにも、我々の知見とKARTE Blocksを活用した運用を応用していけるのではと考えています。
KARTE BlocksKARTE Blocks Blog「LPOには時間がかかる」を覆し、“心を動かす”LPをクライアントに提供